− 開通式 願文 −


 慎み敬って真言教主大日如来 両部界会諸尊聖衆 特に別しては本尊不動明王 宗祖弘法大師並びに当山歴代住職の御宝前 小田原北条家歴代領主 徳川幕府歴代将軍のご尊牌に申してもうさく

 それおもんみれば およそ当山は寺伝に伝えるところによれば 建久三年の創建にして、八百二十有余年以前のことなり 往時 鎌倉八幡宮寺へ東寺より下向の僧により創建されしものなりと

 戦国時代においては小田原北条氏の庇護を受け 徳川時代三百年は平塚宿本陣菩提寺として当院隆盛の頂点をきわめ大いに栄えしものなり しかるに徳川幕府崩壊し明治薩長政府となって以来悪運相継ぎ 特に昭和二十年七月十六日米軍による平塚大空襲により一山灰燼と帰す これにより先代住職を初め檀信徒役員は当山復興のため艱難辛苦を乗り越え ようやく今日の当院の景色に至るものなり

 しかしながら残念なりしは これらの火災に依り多くの寺宝を消失せりことなり

 中でも平塚古墳出土の寺宝明星の玉 運慶作と伝えられる仏像一体 小田原北条氏落城に際し持ち出された北条氏直公守り本尊と伝える 虚空蔵菩薩像一体など 多くの寺宝を消失す これにより 今ここに

 福生山能満寺 宝善院二十四世隆洪は 四国八十八ヶ所地下霊場を開白せんとすその所存といっぱ 下記のとおり

一、失われし歴代の寺宝に代わり 新たに二十一世紀の寺宝をここに定めるものなり

一、寺宝とはそもなんぞや 曰く当院を動かす無限軌道にして 無限磁力なり すなわち群衆男女を 雲集参拝させ不可思議力を照射するところの磁力装置なり

一、四国八十八ヶ所霊場はわが国最古の巡拝式霊場にして千数百年の今も毎年数百万人の参拝者を数える日本第一の霊場なり 今茲宝善院山内に 四国八十八ヶ所地下霊場を開白するその目的の第一は 弘法大師の秘密加持力磁場を この地宝善院道場に四国より導引し 四国霊場秘密磁力線を宝善院山内に誘引 もって大師の秘密加持力磁力線を ここに開白するものなり まさにこれ当院千年の寺宝といえり

 今隆洪密かにおもうは弘法大師が四国霊場に残すところの秘密霊力を掬い 秘密瑜伽の加持力を加えて一大装置となす これをもって四国八十八ヶ所地下霊場という  不可思議力第一 もってなにおかいわんや

維持平成二十年四月十七日 福生山宝善院二十四世住職 松下隆洪 敬白