− 本山とその教え −




古儀(こぎ)真言宗(鎌倉年間に生まれた新しい真言教学派に対し、平安以来の伝統教学派をこのように総称する。)
延暦二四(八0五)年、空海(後の弘法大師)は唐の都・長安で恵果(けいか)和尚より、胎蔵界、金剛界の両部の秘法をうける。



東寺真言宗



 京都・東寺(勅賜 教王護国寺) 弘仁十四(八二三)年、空海(後の弘法大師)は、嵯峨天皇より東寺を賜る。弘法大師はご遺言により東寺を真言宗一山の根本道場とされた。明治末年に至り、高野山派などは東寺より分離独立したが、それまで東寺長者は全真言宗寺院を統括していた。嵯峨天皇は東寺を弘法大師に下されるとき、「代々の国王を以て、我が寺(東寺)の檀越(だんのつ=檀家))となせ、若し伽藍復興すれば、天下また復興し、伽藍衰弊せば、天下また衰弊せん」とまで御起請文を下された。今も毎年正月、真言宗各山各派は、その年の国家安泰の祈願のため、定額僧(じょうぎゃくそう)を東寺に送り、七日のあいだ大法要(後七日後修法)を営む習わしとなっているのは、東寺が弘法大師の鎮護国家の根本道場という歴史的聖地であるからにほかならない。

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大同二(八0七)年、平城天皇より真言宗開宗の勅許を受けたことに始まる。



1.  この大宇宙がなぜ存在するのか。未だ人類は解明しえてない。しかしながらこの大宇宙が一つの摂理によって存在しているのは事実である。その摂理を真言宗は「大日如来」と呼ぶ。この宇宙に存在する万物は、大日如来の表れた形である。

2.  マンダラは、真言宗の大宇宙観を図像化したものである。胎蔵界・金剛界の両部マンダラが示す宇宙像は、古代科学が遺した最も完成された宇宙像でもある。弘法大師が中国で学んだ一行(いちぎょう)阿闍梨は中国の天文学を完成した学者として、今も記念切手の肖像となっている。わが国最初のロックフィル・ダムは、弘法大師によって設計・施工された(四国・ 滿濃の池)など、真言密教は宗教であると同時に総合科学でもあることを示す一例である

3.  真言宗は大宇宙存在の摂理を、自己の肉体をもって体現せんとする行動的宗教でもある(即身成仏)手に印を結び(身密)、口に真言を唱え(口密)、心を大宇宙の彼方に飛翔させれば(意密)、宇宙存在の原理と自己とが一体となることができると説くのである。

4.  はるか数千里の南インドに生まれた真言密教は、シルクロードの砂漠を越え長安の都に伝わり、宗祖・弘法大師は、これらの教えを広めるため、今より千二百年の昔、万里の波頭を越えられた。真言密教は歴史的にみても国際的な広がりをもつ宗教である。