− はやり病 −
牛頭天皇と祇園祭は、天然痘の治癒祈願に始まることが報告されている


 真言宗西明寺の住職で内科医師の田中雅博師は、2006年11月 バチカンで開催された、ローマ教皇庁主催の感染症に関する国際会議に出席し次のような報告をされている。
 「私は地元益子町の祇園祭の写真などを映して、日本全国に4千以上ある祇園祭と天然痘に付いて話をした。 天然痘という疫病が鎮まるように祇園祭で牛頭天皇に祈った日本人の願いは、結局牛痘を利用したワクチン接種という形でかなえられた事になる。 ラテン語の牛を意味する言葉からパスツールはワクチンという医学用語を作った」。(中外日報2007/1/3)
 中国・新疆省ホータンの牛頭山で採取される薬草・栴檀(せんだん)が天然痘に効く特効薬とされると、牛頭山という山までが、疫病にご利益のある山として信仰された。全国に牛頭天皇社―祇園神社―須賀神社―天皇社が祭られ、天然痘平癒が祈願された。いずれにしても面白いのは、 ワクチンから牛頭山まで、この信仰は牛という動物が主役となっている。


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