− ふたたび大師の銅像 −

 今を去る千数百年の昔の事です。弘法大師は遣唐使船で唐の都長安に渡られました 余り昔の事ですから長安に渡られる以前のお大師様がいずこにおられたのか誰も知る者がありません。突然降ってわいたように、遣唐使船という日本国の公式派遣船の記録にお名前が浮かんでこられます。このためお大師様の入唐以前のご業績について多くの議論があり、いわばこの期間は弘法大師伝の空白期・謎の期間とされています
 宝善院隆洪和尚はある夜、霊告により、この謎の期間、既にお大師様は密かに中国に渡られ修行を重ねられていたというお告げを受けました。そこで『弘法大師二度渡航説』の論を発表し、霊夢に基づき、中国密教の聖地「五台山」頂上よりわが国を望見する大師像を製作しました。
 千数百年の昔、万里の波頭を越え、二度にわたり中国大陸に渡られたお大師様の霊跡をたたえ、これを『ふたたび大師』と名付けました。なにごとによらず、「ふたたび」を祈願するに、ふしぎな霊験があります。
宝善院 ふたたび大師の銅像